爺はその頃、ちょうど50歳の誕生日を迎えたあたりでした。
千葉県なのに「TOKYO…」と、名前のついた巨大テーマパークが爺の職場でした。
年齢も50歳となり、こども達も大きくなり、ただでさえ好き放題にしてきた「オヤジ」が、しぼみ行く先を考え、静かに…しずかに…生きて行こうと決意をしていた矢先でした。
45歳の手習いで、PCを始めた爺ですが、そんな爺のところに1通のメールが届いたのでした…
「お久しぶりです、お元気ですか?私は今、凄い人の下で、凄い仕事を始めました。」「つきましては、爺さんに仕事のご相談があって、是非、お会いしたいのですが…」と、言う内容のメールでした。
テーマパークの仕事以外は、丁度友人3人で小さな企業投資と言うか、プチ起業をしはじめたばかりで、時間には余裕があった事と、メールの主は、以前から極端な表向き上層思考と、世間知らずが合い塗れた、俗に言う「おぼっちゃま」で、すぐ、怪しい話にひっかかるタイプの青年だったので、今回も「お説教」を…と、思い、会う約束をしたのでした。
「爺さん、実はですね、以前勤めていた、上場会社を辞め、今、資本金額が*9千万円の会社に入ったんですよ♪」
「この会社、バックには投資顧問グループがついていて、近々、現在の資本金にあと4億円の追加投資が受けられそうなのです…すごいでしょ!」
「だから、その追加投資を受けられるように、新規ビジネスを立ち上げたのですが、是非、爺さんにも手伝ってほしいのです。」
と言う話の切り出しでした。
ここ最近の若い人に多いのですが…
会社組織って、資本金で評価されるんですか?
たしかに、あって悪いものでも無いですが…
爺が若い頃は、企業に対しては、資本金より利益金を重視し評価したように感じるのですが…
最近の会社と言う組織は、資本金の多さでアピールし、実際、何をやっているのか解からない会社が多いじゃないですか?
会社は株主のもの…これはよく解かります。
社長は、会社を維持継続出来る才能のある者を、株主が選出しその責につける…
これも、理解出来ます。
しかし、投資顧問グループからの追加投資って、読み方は違うけど、金融会社からの増資って言う事でしょ?
増資ったって、借りたお金は返さなければいけないし、4億円のお金は、どうやって返すの?
この質問には、あっさり「儲けて返します」って…、彼、少し大人になったかな?と、視点を変えて質問をし直しました。
今、売り上げは?
と、聞くと、「設立したばかりで、実質の売り上げはありません。」
では、どうして増資を受けられるの?
と、聞くと、「アイデアがあって、それに増資をしてもらいます。」
ふぅぅん…では、今の社員の給料は?
と、聞くと、「立ち上げですから、給料は出ていません。」「自分も失業保険で仕事を続けています」って…なんか話おかしくないか?と、思いはしましたが、起業するためには、それくらいの覚悟で挑まないと…と、少しあまい評価…
会社は、どうやって維持しているの?
と、聞くと、「9千万円の資本金がありますから」…って…
やっぱ、だめだ、こいつを目覚めさせなければ…
と、爺がお得意の、いらぬお節介で、次回彼のボスから彼を引き離す算段で、お互いのスケジュール調整をするのでした。
約束は5月、場所は東京駅丸の内側「丸ビル」で…
しかし、爺自信はこの時すでに、巨大テーマパークのアトラクションの長い待ち時間を、まるで催眠術をかけられたように楽しみながら待つ…あの魔法(△ィズニー・マジック)にかけられていたことに気がついていなかったのでした…
注意 : 本文「*9千万円の資本金」が単に金額の面で「すごいでしょう」と、彼は言っているのではなく、税法上で9千万円で資本金を抑えている事が、「すごいでしょう」と、言う意味なんだそうです…(汗)
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